会社の維持・発展のためには、事業継承を円滑に行うことが重要です。

 計画的な贈与により事業継承を円滑に行うための税制支援をみてみましょ

 う。

  計画的な贈与を行う場合の基本的な税制度は、『暦年課税制度』と『相

 続時精算課税制度』がありますが、家族構成や財産構成などを考慮して、

 どちらが自分にとって有利であるかを判断する必要があります。

  『暦年課税制度』は、1月から12月までの1年間ごとにその年中に贈

 与された価額の合計額に対して贈与税を課税する制度です。毎年110万

 円までの贈与は非課税(基礎控除額)であり、税率は贈与額に応じた10

 %〜50%の6段階の累進税率です。相続税とは切り離して計算しますが、

 相続開始前3年以内の贈与は相続財産に加算されます。

  『相続時精算課税制度』は、65歳以上の親から20歳以上の子への贈

 与について、選択制により贈与時に軽減された贈与税を納付し、相続時に

 相続税で精算する課税制度です。

  届出が必要であり、一度選択すると相続時まで継続適用となります。

  贈与税の控除額は2500万円あり、限度額まで複数年にわたって使え、

 累計で2500万円を超えた贈与に対しては一律20%の税率で課税され

 ます。納めた贈与税は相続時に贈与財産のすべてが相続財産になり、相続

 税から控除されます。

  事業継承に関する税制は、そのほか事業用土地等を相続する場合の小規

 模宅地等の減額の特例や、自社株を相続する場合は、税負担の軽減措置な

 ど、事業継承を円滑に行うための税制があります。